からだの「気」が巡る。

投稿者: | 2014年9月10日

石田秀実先生の『中国医学思想史』を読んでいたら
春秋時代の中国医学についての話がありました。
『春秋左氏伝』によると
春秋時代、鄭(てい)の国に生きた子産という人物が残したとされることばがあります。

子産は、からだの「気」の状態が、からだとこころの両方に影響を与えると説きます。
「気」が滞るとからだの病気を引き起こすだけでなく、こころにも悪い影響を及ぼす。

つまり、からだとこころの健康のためには
「気」が巡ることが大事なわけです。

そして「気」をよい状態に保つには以下のことが必要だと。

(1) 自然のリズムに合致させる。
(2) 動かすことと休ませることの双方を重んじる。
(3) ある部分のみに集まって、塞がり滞ることのないようにする。

 
「気」が巡る・・・。
いきなりこんな話をされても
ものすごくあいまいでよくわかりませんよね。
目に見えるというものでもなく・・・。数値で計れるわけでもなく・・・。
 

「気」がうまく巡るためにはじまった治療法が
東洋医学の漢方と鍼灸。

でも、「気」が巡るためにすることは
漢方や鍼灸など東洋医学の専門的な治療だけではありません。
自分でできることもあります。

そのヒントがさきほどの子産のことば。
鍼灸師としてわたしなりに解釈してみます。

「気」が巡る=健康であるためには・・・

からだを適度に動かす。
からだを適度に休ませる。
ひとつのことを考えすぎない、こだわりすぎない。
からだとこころがリラックスできるような時間を作る。
(深くゆっくりとした呼吸になるような時間を作る。)

こんなかんじでしょうか。

こう考えていくと
治療室でできることはわずかだと思います。
治療の1時間は貴重なものですが、
それ以外の時間の過ごし方や生活の質を見直すことも必要です。

 

子産は春秋時代の人物。
ということは今から2500年くらい前の話です。
2500年も前に行われていた治療法を
現代にそのままあてはめるのはむりがあると感じています。
でも子産の考え方、からだの見方は現代にも十分応用できる。
伝統医学のおもしろさはこういうところにあると思います。

 
【参考文献】
石田秀実『中国医学思想史』