川名壮志『謝るなら、いつでもおいで』

投稿者: | 2014年10月13日

久しぶりに、重いノンフィクションを読みました。
川名壮志『謝るなら、いつでもおいで』。

2004年に長崎県佐世保市の小学校で
小学校6年生の女の子が同級生の女子生徒によって殺されるという事件がありました。
被害者の女の子の父親は、毎日新聞の佐世保支局長。
著者の川名壮志さんはその部下で、被害者の少女とも日頃から接していました。

記者でありながら、被害者の家族にとても近い存在である著者が
取材をすすめていきます。

 

読み進めるごとに、心が苦しくなる。
そんな本。

11歳の女子生徒がどうして同級生を殺してしまったのか。
どんなに丁寧な取材をしてみても
結局、その「なぜ」は明らかになりません。

事件の真相を知りたい人には物足りないかもしれない。
でも事件のことだけでなく
大人になったわたしたちが
子どもとどう向き合っていくかを考える上で非常に大事な一冊だと思います。

なかでも、被害者のお兄さんへのインタビューは
何度読み返しても心がゆさぶられます。

「普通に生きる」ことをもっと大事にしたい。
そんなふうに思いました。

 
さいごに
遺族代理人の八尋光秀弁護士のことばが印象に残りました。

八尋弁護士は、こう力を込めた。
「清く正しく美しく、なんて教えようとするからダメなんだ。いま子どもに言えるのは、ボーッとしていいんだよってことだけだよ。ゆっくりしていいんだよって」

(『謝るなら、いつでもおいで』p135)
 


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